事業税の傾向と対策


事業税とは、法人または個人の行う事業活動に対し、道府県が課する地方税(道府県税)です。
住民税と同じく所得税法・法人税法と関連が強く、特に法人税法の知識があると有利な科目といえます。
また試験時間が住民税と同じであ為、1度にどちらかしか受験できません。

税理士にとっての事業税

事業税は法人税の補完的な存在であり、会社など法人相手の税務実務を行う上では「無いより、あったほうが良いと」いう扱いの様です(あくまで法人税の知識の方がメイン)。
また、近年では申告ソフトが充実しているため、事業税は意識しなくても申告書が作れることもあり、実務における必要性は減少傾向にあります。
しかし一方で、事業税に登場する外形標準課税は区分の考え方が難しい税金であることもあって、外形標準課税の相談など事業税の知識が必要になるケースもあります。

試験の傾向

試験時間が住民税と同じであ為、1度にどちらかしか受験できません。
試験の内容は、理論と計算に分かれて出題され、通常、理論を中心に出題されます(約七割が理論)。
特に第1問の理論の内容は事例問題であるため、理論が合否のカギとなっています。
また計算問題は法人事業税が出題される場合が多いです。

試験対策

特に法人税法との関連が強く、法人税法をまず勉強するか、同時に勉強すると効率的に学習できると言われています。
というよりも、法人税を理解していないと事業税その物が理解できないようなので、必ず法人税を勉強する必要があります
試験そのものは、理論を中心に出題されまので、計算志向の受験生には敬遠したほうが良いですが、理論が得意な人には合格しやすい科目としておすすめできます。
また、「出題内容が安定していて対策がし易いといわれていますが、その分、実力差がつきにくく、受験者の間でハイレベルの競争は避けられないので、いかに完璧に近い答案にするかが理論が合否のカギとなっています。
なお、合格に必要な標準学習時間は200時間程度です。